
日本在住のアーユルヴェーダ医師 Dr.チャトゥリが、日本で活躍するアーユルヴェーダ実践者と対談するシリーズ第一弾。今回は、「日本式アーユルヴェーダ」を掲げて「MOTHER」ブランドを大きく飛躍させている岡清華さん。近年は、東京から与那国島への移住や第一子の誕生など、未来に向けてさらなる歩みを進めている岡さんとの対談を、前・後編の2回に分けて紹介します。(聞き手:アーユルヴェーダの薬局 代表 渡邊泰眞)
「アーユルヴェーダの薬局」×「MOTHER」 日本式アーユルヴェーダが描く未来【後編】
Dr.チャトゥリが与那国島に渡って実現した今回の対談。前編では「MOTHER」への想いやギー作りへの情熱を語ってくれた岡清華さんですが、後編では「アーユルヴェーダの薬局」と「MOTHER」の共通点や、アーユルヴェーダのオイルについて、話をすることができました。
-- 「アーユルヴェーダの薬局」について教えてください
Dr.チャトゥリ:スリランカの町には、当たり前のようにアーユルヴェーダ薬局があります。どの町にも。
日本にも町中にたくさんの調剤薬局がありますよね。同じだと思います。それだけ人々の生活に根付いているんです。
-- スリランカの町の風景が、サービス開始のきっかけになった?
Dr.チャトゥリ:はい。そんなスリランカの町の光景を日本でも実現したい、それが「アーユルヴェーダの薬局」をスタートさせた原点です。
とはいっても、日本全国にアーユルヴェーダの薬局を作ることはまだまだ現実的ではありません。
だからまず、インターネット上でアーユルヴェーダに関する商品を買えるようにしたいと考えました。
インターネットであれば、いつでも、だれでも買えますよね。
おそらく、日本で初めて開業した「アーユルヴェーダの薬局」だと思います(笑)
岡: 日本初のアーユルヴェーダ薬局、たしかに、これまでになかったですね!
Dr.チャトゥリ:だから、アーユルヴェーダ商品の輸入サービスではなく、あくまでも薬局、これを強く意識しています。
私が「常駐」して、アーユルヴェーダの考え方に基づいた知識や使い方を伝えていく。スリランカと同様に、アーユルヴェーダ医師とアーユルヴェーダ薬局が連携しているということです。
私たちは、このようなコンセプトを大切にしています。

-- 日本でアーユルヴェーダ商品を扱うことは難しいですか
Dr.チャトゥリ:そうですね。私たちは、アーユルヴェーダオイルをスリランカから直輸入しています。
アーユルヴェーダオイルにはたくさんのハーブやスパイスが含まれているため、日本で正規輸入するためには様々な許可が必要でした。
日本の薬機法は世界一厳しいとも言われています。
日本でアーユルヴェーダオイルを簡単に手に入れることができるお店や場所がなかったのは、そのような理由からだと思います。
-- 「アーユルヴェーダの薬局」がその課題を解決した?
Dr.チャトゥリ:はい。日本でオイルを施術に使うためには、日本での化粧品登録が必要です。
日本で化粧品登録していないオイルは施術に使ったり、そのための販売をすることはできません。
ただ、これまで認可済みの商品がなかったのであれば、もちろん買うこともできなかったはずです。おそらく、みなさん個人輸入品を使わざるを得なかった。
だから、誰が悪いとか、使ってはいけないとか、そういうことではありません。
日本のアーユルヴェーダにとって、みんなが抱える課題や悩みのひとつだったんだと思います。
-- その状況は「MOTHER」のギーがはじまったきっかけと似ていますね
Dr.チャトゥリ:その通りだと思います。必要だと思ったものを自分で創る。そして、その想いと正しい知識を伝えていく。
そのような商品が日本での使い方に合わせてあって、身近に手に入る。「MOTHER」の想いと同じですよね。
-- それで、日本に合った商品開発を進めてきたんですね
Dr.チャトゥリ:施術に使いやすい容量だったり、持ち運びやすいパウチのパッケージにしています。
販売をスタートするにあたり、まずは5つのオイルを厳選しました。
これらを使えば、ヴァータ・ピタ・カパ、すべての状況に対応することができます。
これは、スリランカでアーユルヴェーダ施設を運営している私たちだからこそ、実現したことだと思っています。
スリランカの製造会社と、長期に渡って話し合いを続けてきました。

-- アーユルヴェーダの施術を受けたことがありますか?
岡:インドで2度、それぞれ1か月ほど滞在して本格的な治療を受けたことがあります。
スリランカでは1週間くらい。日本では何度も。
-- アーユルヴェーダの施術はどんな印象ですか
岡:もともとオイルケアは大好きです。体が軽くなりますよね。
だけど、スリランカやインドで受けた施術は、やはり治療なんだなとも実感しました。
オイルケアだけが施術ではなくて、朝の食事から、日中の過ごし方、そして夜寝るまで。
そのプロセスの中でオイルを塗ることには、単純なリラクゼーションだけではない意味がある。

-- 日本での施術体験も豊富ですね
岡:たくさん受けてきました。
スリランカやインドでの経験と比べると、日本で受けたトリートメントは、その時の体調に対応するためのものでしたね。
プラクルティに対するアプロ―チというよりは、ウィクルティの状態に対しての施術ですかね。
だから、自分本来の体質に合ったオイルを選択してもらって、継続的に心と体のケアができたら、本当によいと思う。
「アーユルヴェーダの薬局」でオイルを購入すればDr.チャトゥリがしっかりとケアをしてくれる。
どんなオイルがいいか、何かあったらいつでも聞けることは、貴重なことだし、必要なことだと思います。
-- 日本ではなかなかできなかったサービスだと思います
岡:個人的には、必要な生活習慣やオイル施術、食事などを全部指示してもらいたい(笑)
日本人としては、あまり深く考えず、すべてを任せられる環境があったら嬉しいのかもしれません。
そういった意味でも、Dr.チャトゥリという存在がいて、しかも日本に住んでいる。だから日本のことを理解してもらった上で、アドバイスを聞くことができる。
これは「アーユルヴェーダの薬局」さんだけができる、オンリーワンのサービスだと思います。
-- 「MOTHER」のコミュニティに、セラピストの方はいますか
岡:たくさんいますよ!アビヤンガやシロダーラを実践していて、アーユルヴェーダオイルを使っている方もたくさんいます。
そのような方にとっては、大きなサポートになりますね。
もしかしたら、今は個人輸入のオイルを使っている方が多いのかも。
やっぱり、さっきのお話のように、気軽にいつでも手に入る場所があるということは、色々な面で心強いと思います。
ギーと同様に、自分のサロンで販売することもできますし。
そうしたら、もっともっとアーユルヴェーダが広がっていくと思います。
-- 「アーユルヴェーダの薬局」のオイルについて、少し詳しく教えてください
Dr.チャトゥリ:私はこれまでの約9年間、合計5000人以上の日本人を診察してきました。
スリランカの施設にはたくさんの種類がありましたが、日本人に合ったオイルがこのオイルでした。
この5つのオイルがあれば、ヴァータピタカパ、すべてのドーシャを整えることができる。デトックスにも使えます。
これまでの経験から、日本人に多い症状にも対応することができます。
「LINKナチュラル」シリーズのパッケージは色分けがしてあって、どのドーシャに合うか直感的にわかるようになっているのも特徴です。

-- ひとつひとつ説明してもらえますか
シートーダカは、サンスクリット語で冷たくする、という意味があります。
5つの中で唯一、ココナッツオイルをベースとしているオイルです。
オイルのレシピは基本的に5000年前から変わりません。アーユルヴェーダの原典に示されているものです。
ハーブやスパイスが身近に存在するスリランカだからこそ作れるものだと思います。
だから、日本でこれを作るのはちょっと難しい。
シートーダカにはターメリック、シャタワリ、ニームなどが含まれています。
女性に合っているオイルです。私は冬の乾燥肌対策で使っています。
顔に使うこともできます。
お風呂の前に塗って、10分、15分後にシャワーで流します。
岡:フェムケアにも使えますよね。デリケートゾーンにも大丈夫。ピタを抑える効果が期待できます。
Dr.チャトゥリ:
ニルグンディヤーディは、様々な用途に使うことができます。
デトックスに効果的ですね。ヴァータのバランス調整にも。
私は個人的に大好きなオイルです。
ドクターの視点で見ると、ヴァータとカパの調整ができて、さらのその時にピタが上がらない。
ピタを上げずに消化力を上げることができる、非常に使い勝手のよいオイルです。
トリパラは、3つの果物、という意味です。
その名前の通り、アラル、ブル、ネッリと言われる果物(ハーブ)から作られています。
子供からお年寄りまで誰でも使えて、頭からつま先までどこでも使える万能オイルとして知られています。
トリドーシャすべてのバランスを整えることができます。
トリパラはスリランカでも多くのクリニックで使われています。
アシュワガンダ: 「アシュワ」が馬、「ガンダ」は匂いという意味で、滋養強壮の象徴でもある馬が名前の由来になっています。
このオイルも人気があって、オイルだけではなく、サプリメントとしても有名です。
主に栄養補給の効果があり、トリパラと混ぜて使うと、疲労回復やストレス軽減が期待できます。
サルシャパーディは 他のオイルの吸収を促す役割があり、ブースターオイルとして使われます。
例えば、ニグンディヤーディを2、サルシャパーディを1といった感じです。
スリランカでは病院でよく使われています。
ニルグンディヤーディと合わせて生理を促したり、子宮系の疾患に処方しています。
肩こりやむくみなど、局所的な症状には患部にだけ使用します。
清涼感のある匂いが特徴です。
-- どんな使い方ができますか
Dr.チャトゥリ:セルフケアであれば朝でも夜でも、お風呂前に塗ればよいですね。
10、15分くらい待って、そのあとシャワーで流してください
-- パウチも特徴的ですね
Dr.チャトゥリ:はい、日本での使い方をイメージしました。
「LINKナチュラル」シリーズは、現地と同じボトルタイプもありますが、日本専用パウチを作りました。
これはスリランカからオイルを輸入した後、日本で再充填しています。
持ち運びにも便利ですし、ボトルを廃棄する手間もかかりません。

-- 30MLと360MLの2種類がある
Dr.チャトゥリ:セルフケアや小売販売用として30MLがあって、業務用として360MLがあります。
業務用の容量を少なめに設定していますが、これには5種類を使いこなしてほしいという思いがあります。
1Lや2Lを5種類揃えるには、少しコストがかかってしまいますからね。
どんなドーシャの乱れにも対応できるように、常に5種類を常備してもらうことをおススメします。
容量は少ないですが、インターネットで注文をいただければ基本的には2-3日以内に発送できますので、在庫切れの心配はありません。
いつでも気軽に入手できることも、「アーユルヴェーダの薬局」の強みです。
-- 今後の展望
Dr.チャトゥリ: まずはオイルの種類を増やしたいと思っています。日本でもよく知られているピンダやマハナーラヤナは、購入したいという方がたくさんいらっしゃるので、その期待に応えようと思っています。
さらに、アーユルヴェーダで最も有名な施術「シロダーラ」を気軽にできるような取り組みを計画しています。
シロダーラの施術は現代の日本人にとって最適な施術だと思いますが、施術を提供する側に立つと、少し手間のかかるものです。
施術の器材だったり、オイルの管理だったり。
具体的には、これまでになかったシロダーラスタンドなどを開発中です。これがあることで、シロダーラがより身近な施術になることを目指しています。
それ以外にも、日本のアーユルヴェーダ、そして本場のスリランカ、両方の目線からできること、私たちにしかできないことをしていきたいと思っています。

「アーユルヴェーダの薬局」オイル × 「MOTHER」ギー
Dr.チャトゥリ - 対談を終えて -
アーユルヴェーダの本質を捉えて、「日本式」のアーユルヴェーダを提案する岡清華さん。
その想いや情熱は、「MOTHER」と「アーユルヴェーダの薬局」は多くの点で共通するものがありました。
私も日本のことをもっともっと知って、「アーユルヴェーダの薬局」としての日本式をたくさん見つけていきたいと思います。
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岡 清華
OKA SAYAKA
MOTHER創業者 管理栄養士
アーユルヴェーダ・ラージャヨガ講師
Mother株式会社 代表取締役 岡 清華
アーユルヴェーダの教えをより現代の日本にフィットさせる方法として“日本式アーユルヴェーダ”を提唱し、日本で取り入れやすいアーユルヴェーダ商品の開発、イベント、セミナーなど、各事業を展開し、さまざまなメディアにて情報を発信している。

Dr.Chathuri Mihirani
Dr.チャトゥリ ミヒラニ
アーユルヴェーダの薬局 チーフドクター
コロンボ大学伝統医学部(アーユルヴェーダ学科)を卒業。国費でのインド研修や臨床経験などを経て、スリランカ・アーユルヴェーダ施設「エクセレンディブ」チーフドクターに就任。 ストレス・不眠・肥満など「現代病」への治療を得意としており、日本を含む外国人に対する診察数は5千人を超えている。 2019 年、ケラニア大学大学院カーヤチャキッサ(内科学)専攻を修了。2023年より日本在住。日本語能力試験2級。

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