Roshanie Jayasundera Moraes

ロシャニ ジャヤスンドラ モラエス

Link ナチュラル CEO

スリランカ最大のコングロマリット企業「John Keels」社の幹部などを歴任。2022年3月より現職。

Dr.Ranjith Gamage

Dr.ランジット ガマゲ

シニア R&D 研究員(アーユルヴェーダ医師)

Link ナチュラル社で勤続25年。製品の研究及び開発、関連当局との折衝に従事。コロンボ大学アーユルヴェーダ学科卒。

-- 改めて、アーユルヴェーダについて教えてください

Dr.ガマゲ:アーユルヴェーダとは、サンスクリット語で「生命科学」という意味です。WHOの世界3大伝統医学にも認定されている医学体系ですが、元来は哲学です。ヒトが生きる上で必要となる知識と言えますが、人間だけを対象にしたものではなく、我々を取り巻く植物や動物、環境との関わり方に言及しています。

-- ヒトだけを対象としたものではない、そこが大きな特徴ですね。スリランカにおいてアーユルヴェーダはどのように受け入れられていますか

Dr.ガマゲ:西洋医学が発展する以前、スリランカではアーユルヴェーダや、スリランカ土着の「伝統医療(ヘラウェダガマ)」が人々の健康を守ってきました。スリランカ固有の伝統医療の知識と、インド発祥のアーユルヴェーダをうまく活用してきたということです。さらにスリランカでは、アーユルヴェーダや伝統医学に加え、ユナニ医学、シッダ医学などが伝承されており、それもスリランカの特徴と言えます。

-- スリランカの伝統医学であるヘラウェダガマとは、どのようなものですか

Dr.ガマゲ:スリランカで古来から伝わる医学的な知識です。ただし、体系的な要素は少なく、私たちの身の回りにある環境を生かす実践的な内容が多く伝えられています。実践的な内容とは、例えば周囲に自生しているスパイスやハーブの使い方、それぞれの地域に合った固有の生活様式などです。アーユルヴェーダは「原典」に示された体系的な知識ですが、ヘラウェダガマは、実践の中で培われた口伝的な知識と言えます。

-- スリランカで採れるハーブについて教えてください

Dr.ガマゲ:スリランカには、固有のハーブがたくさんあり、インドよりも優れた効果を発揮するハーブもたくさんあります。例えば、ヴェニバルガタと言われるハーブですが、我々のナショナルブランドであるハーブティー「サマハン(写真)」に使われています。インドで使われているダールハリドラと呼ばれるハーブの代用として使われていますが、研究結果から、ダールハリドラよりヴェニバルガタの方が効果が高いという結果が出ています。ヴェニバルガタを使用する発想は、私たちの伝統医学「ヘラウェダガマ」の知識から用いられています。

-- 「サマハン」は日本で目にすることも多くなっていますね。リンクナチュラル商品の特徴は何ですか

Dr.ガマゲ: 私たちの会社は35年前、アーユルヴェーダ商品の販売からスタートしました。初めての商品は、ダシャムッラ(ハーブ)を主成分とするアリシタ(薬用酒=日本で言う’養命酒’)でした。我々は、品質、安全、効能に最大限の注意を払っています。それは、グローバルな市場を意識して商品を提供しているためです。近年では、サステナビリティにも注力しており、我々独自の自然農園から原料を調達する取り組みもはじめています。

--  アーユルヴェーダは世界から注目されている分野です。アーユルヴェーダオイルはどのように作っているのですか

Dr.ガマゲ:私たちも昔は薪の火を使って熱を加えていましたが、現在は直火ではなく、熱蒸気を利用しています。それ以外では銅の釜を使ったり、伝統的な製法を踏襲しています。

-- 伝統的なアーユルヴェーダオイルの製法とは、どのようなものでしょうか

Dr.ガマゲ:アーユルヴェーダの原典には、多くの時間をかけてオイルを精製するよう記されています。これは、ハーブやスパイスの成分をオイルに抽出するためには、相応の時間が必要とされているからです。精製する量によって変わりますが、7日から10日、場合のよってはそれ以上、熱を加えながらオイルを作っていきます。伝統的な製法を大切にしていますが、その一方で、現代的な技術や、科学的な数値を用いることもしています。特に、品質管理の点ではそのような視点を取り入れています。

-- ロシャニCEOにもぜひ、お話を聞かせてください

-- リンクナチュラルの理念を教えてください

ロシャニCEO:私たちの理念は、すべての方々の「健康長寿」に寄与することです。何よりも、顧客の健康と幸せを念頭に活動を行っています。

-- スリランカにおいて、リンクナチュラルはどのような会社ですか

ロシャニCEO:まず、ナショナルブランドとしてのハーブティー「サマハン」が代表的です。25年の歴史をもち、世界中で評価を得ています。企業としては、特定のカテゴリで成果を上げていると言えますが、スリランカという国の認知を世界に広げる製品を提供することができていると考えています。

--  御社の商品は国内外問わず、幅広く展開されています。もう少し詳しく聞かせていただけますか

ロシャニCEO:すべての製品を1つの国内工場で製造しています。(今回、撮影をしている)コロンボの旗艦店は、1年ほど前にスタートしました。製品の販売先は、一般消費者、薬局、病院やホテルなど、国内全土に渡っています。それ以外には、32か国への輸出があります。その中の大切なパートナーとして日本があり、「サマハン」はカルディ、イオン、コストコなどで販売しています。その他の国ではアメリカのAmazonやウォルマート、インドやイギリスなどにも商品を輸出しています。

-- 御社はグローバルに活躍するスリランカを代表する企業ですが、スタッフはどのくらいいますか

ロシャニCEO:約900人ほどです。そのほどんどのスタッフが、国内の拠点工場に在籍しています。近年では、サスティナブルな企業活動を進めており、それを実現するために協力してくれるバートナー農園のスタッフもいます。このような活動は、今後も増やしていきたいと考えています。

-- 私も伺ったことがありますが、国内屈指のR&Dセンターを有していますね。工場の特徴を教えてください

ロシャニCEO:当然ながら製品の製造に必要な認可を取った上で、GMP認証(医薬品の製造と品質管理について定めた国際基準)を取得しています。また、USFDA(アメリカ食品医薬品局)の認証も受けています。医薬、食品製造、双方の認可を受けています。4年前には、R&D(研究開発)センターをリニューアルしました。これは間違いなく国内屈指の施設で、ここでの成果をもとに新しい製品開発を進めています。

-- 製品の研究開発を続けているということですが、リンクナチュラルのアーユルヴェーダ製品はどんな特長を持ちますか

ロシャニCEO:アーユルヴェーダの商品に限らず、重要な点は、製造工程における品質管理の基準がしっかりしていることです。そこが、私たちの優位性にもつながっています。

--  品質基準がしっかりしているということで、日本の方々にも安心です。会社全体としての強みをどのように考えていますか

ロシャニCEO:まず、アーユルヴェーダという、スリランカの国を代表する事業を行っていることが大きな強みです。そして、健康、ウェルビーングの概念が世界中で浸透しはじめており、その分野にいることも私たちの強みになっています。もう少し細かく、あえて我々の強みを挙げるとすれば、それはやはり、商品とその製造工程です。何年もかけて研究を臨床研究を重ねた原料を使用しています。そして、安全と効能を両立するための、製造基準を採用しています。

-- 長年の地道な研究と、会社としての安全に対する意識が日本での信用にもつながると思います。何か、日本の印象を持っていますか

ロシャニCEO:日本では、ウェルネス、自然由来の商品に理解がありますね。アーユルヴェーダの本質を理解してもらうことができる国だと考えています。

-- 日本でも、アーユルヴェーダの認知度は高まっています。日本の市場への期待はありますか

ロシャニCEO:日本からスリランカにはたくさんの旅行者が訪れています。歴史の観点や同じアジアの国ということで、共通の理解を得ることができると感じています。そのような中で、アーユルヴェーダの需要は増えており、実際に見たり、経験してほしいと思っています。そして、私たちの商品を持ち帰ってもらい、日本で広めて欲しいですね。そのような意味では、【アーユルヴェーダの薬局 日本支店】には、その一端を担い、幅広く活動してもらいたいと思っています。

-- リンクナチュラルと私たちは、5年以上の歳月をかけて日本での正規販売をスタートさせることができましたね

ロシャニCEO:【アーユルヴェーダの薬局 日本支店】には、本当に感謝しています。【アーユルヴェーダの薬局 日本支店】のサービスは、多くの人に商品を届けるために重要な機会になります。日本で多くの皆さんに受け入れてもらい、幅広く普及してほしいです。【アーユルヴェーダの薬局 日本支店】の活動は私たちにとって大切なものであり、私たちと日本の方々との距離を縮めてもらうために、さらなる活躍を期待しています。もちろん、私たちも協力を惜しみません。

-- インタビューを終えて

アーユルヴェーダの薬局 日本支店 代表 渡邊:リンクナチュラル社のオイルは、私たちがスリランカのアーユルヴェーダ施設「エクセレンディブ」を開業した2016年以来、使用を続けてきた商品です。早い段階から日本での販売を目標にしてきましたが、世界一厳しいともいわれる日本の薬機法や、2019年から2023年にかけては世界やスリランカの国内情勢も難しく、大きな時間を費やすことになってしまいました。そして2024年、いわば悲願達成ですが、これからがスタートです。今回のインタビューは、私たちの想いをリンク社と共有するとともに、同社の想いを日本の皆さんにもお届けしたいと思い、実現することができました。引き続き、リンク社との協力体制のもと、日本での活動を進めていき、日本におけるアーユルヴェーダの普及につなげていきたいと思っています。

撮影協力:AKIKO ISHINO(STUDIO FORT)

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