日本の子どもたちを見ると、あの歌を思い出す
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私がまだ小さかった頃、スリランカの女の子たちは、みんなお人形が大好きでした。
私もお気に入りのお人形を抱きながら、よく歌を歌っていました。それは、日本からやって来たお人形の歌です。
「日本から来た、かわいいお人形さん。
くるくる動く目で、私を見つめている。
あなたを見ると、私はとてもうれしい。
お母さんが私のために選んでくれた、大切なお人形。
さあ、もう泣かないで。ゆっくり眠りましょう。」
私は小さな母親になったつもりで、お人形を優しく抱き、寝かせながら何度もこの歌を歌いました。
当時のスリランカでは、知らない女の子はいないと思うほど有名な歌でした。歌うたびに、まだ見たことのない「日本」という国を想像していました。
その頃の私にとって、日本はとても遠い国でした。
まさか大人になった私が、本当に日本で暮らすことになるなんて、夢にも思っていませんでした。
そして、日本に来て初めて日本の子どもたちを見たときのことです。
小さな顔、かわいらしい目、きちんとした服装――。
その姿を見た瞬間、心の奥に眠っていた子ども時代の歌が、突然よみがえりました。
「ああ、あの歌の日本だ……」
そう思うと、遠いスリランカでお人形を抱いていた小さな頃の自分と、今、日本に立っている自分が、一本の糸でつながったように感じました。
日本の子どもたちを見ると、不思議と心が軽くなります。疲れている日でも、子どもたちの姿を見るだけで、自然に笑顔になります。
でも、外国人に慣れていない子どももいます。
時々、私の顔をじっと見つめて、
「この人は誰だろう?」
と言いたそうな表情をします。
まるで宇宙人に出会ったような顔をされることもあります(笑)。
そんなとき、私は笑顔で手を振ったり、優しく「こんにちは」と声をかけたりします。最初はお母さんの後ろに隠れていた子どもも、少しずつこちらを見てくれるようになります。そして最後に、小さく手を振り返してくれた瞬間、私の心はとても温かくなります。
日本で暮らしていると、スリランカの子どもたちとの違いを感じることもあります。
スリランカの子どもたちは、とても元気です。あちらこちらへ走り回り、大きな声で笑い、いつも家族の注目を集めています。子どもだけで出かけることは少なく、たいてい両親や家族と一緒です。
ところが日本では、小さな子どもたちがランドセルを背負い、子ども同士で学校へ歩いていきます。
その姿を初めて見たとき、私は思わず立ち止まりました。
「こんなに小さいのに、自分たちだけで学校へ行くの?」
驚くと同時に、子どもたちの落ち着きと自立心に感心しました。
もちろん、すべての日本の子どもが同じではありません。子どもの性格は一人ひとり違います。それでも、日本とスリランカでは、子どもの育て方や社会の中での見守り方に、大きな違いがあるように感じます。
私はまだ、日本の子どもたちがどのように教えられ、どのように自立していくのかを詳しく知りません。
けれど、ランドセルを背負って歩く小さな後ろ姿を見るたびに、私は少し立ち止まってしまいます。
そして心の中で、あの懐かしい歌を歌います。
子どもの頃、遠い国だと思っていた日本。
今、私はその日本で暮らし、日本の子どもたちを見ながら、スリランカでお人形を抱いていた小さな自分を思い出しています。